(独) 国立環境研究所 侵入生物データベース Japanese | English
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ウシガエル

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 ウシガエル

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ウシガエル
分類群 両生綱 無尾目 アカガエル科
(Ranidae, Anura, Amphibia)
学名 Rana catesbeiana
主なシノニム Lithobates catesbeianus
英名等 American bullfrog
自然分布 アメリカ合衆国東部・中部,カナダ南東部
形態 体長111~183mm.体重139~183g.大型でみずかきが良く発達する.鼓膜は明瞭で,直径は眼の0.9~1.7倍と大きい.染色体数2n=26.
生息環境 池沼などの止水,穏やかな流れの周辺.在来のカエル類に比べ水生傾向が強く,成体は1年中池で見られる.
温度選好性:原産地がカナダまで達していること,北海道南部にも定着していることから,本州産のカエルと同程度には低温耐性があると見なされる.
繁殖生態 繁殖期:繁殖期は長く,5~9月上旬にわたる.
池,沼,湖などの止水で雄は繁殖なわばりを持ち,水面に浮きながら「ウオー,ウオー」と鳴く.産卵は水草の多い所でなされ,産出された卵塊は50×50cm程度のシート状になって浮かぶ.オタマジャクシは越冬し,15cmほどに達する.幼生越冬することから,1年を通して水のある場所で繁殖する.産仔数:蔵卵数は6,000~40,000個
生態的特性 夜行性.昼間は水草の中や水場周辺の茂みや窪地に隠れる.雄は「ウオーウオー」と聞こえるウシに似た太い不気味な鳴き声を出す.
食性:肉食性.口に入る大きさであればほとんどの動物を食べる.昆虫,アメリカザリガニ,他のカエル類,魚類など.小型哺乳類や小鳥を襲うこともある.
侵入情報
国内移入分布 北海道南部,本州以南の日本列島のほぼ全域と周辺島嶼(佐渡島,壱岐,五島列島など),奄美諸島(与路島,徳之島,沖永良部島),沖縄諸島(伊平屋島,伊是名島,伊江島,沖縄島,久米島)八重山諸島(小浜島,西表島). 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
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移入元 最初の導入は米国(ニューオリンズ).その後も原産地や国内の個体群からの移入が繰り返された.
侵入経路 食用,養殖用としてアメリカ合衆国南部,ニューオリンズから持ち込まれた
侵入年代 1918年
影響 在来生物に対する捕食・競合
影響を受ける在来生物:(1)昆虫類や他のカエルをはじめとする多くの小動物が捕食の影響を受ける.(2)水辺に生息するトノサマガエル,ダルマガエル等の種が食物等を巡る競合の影響を受けうる.
法的扱い 外来生物法で特定外来生物に指定された.
防除方法 個体を取り除く方法が現実的.成体は警戒心が強く捕獲しにくいが,夜間の方が効率よく捕獲できる.幼生や卵の除去も効果的である.幼生越冬し,変態までに約1年間を要するため,繁殖期が終わってから翌春までの間に池の干し上げを行えば幼生を全滅させうる.
問題点等 情報整理中
海外移入分布 メキシコ,大アンチル諸島各地(キューバ,プエルトリコ,ジャマイカ,イスパニョラ島と周辺島嶼),ヨーロッパ各地(本土およびクレタ島など),マレーシア,ジャワ,バリ島,タイ,朝鮮半島,台湾
備考
世界の侵略的外来種ワースト100,日本の侵略的外来種ワースト100

令和5(2023)年度 環境省「特定外来生物の市町村別侵入状況の把握のためのアンケート」調査の結果は,市町村単位の分布地図※及び一覧(下記URL)にて参照されたい. https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/category.html
※都道府県単位の分布地図は,学術誌や記事,通報などをもとに,標本や画像データを確認して作成されたものである. 市町村単位の分布地図は,自治体へのアンケートをもとに作成されたものである. 従って,両者の分布情報が一致しない部分がある.
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