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フイリマングース

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 フイリマングース

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フイリマングース
分類群 哺乳綱 食肉目(ネコ目) マングース科
(Herpestidae, Carnivora, Mammalia)
学名 Herpestes auropunctatus
主なシノニム Urva auropunctata
英名等 Small Indian Mongoose
自然分布 ミャンマー,中国南部,海南島,インド,バングラデシュ,ブータン,ネパール,パキスタン,アフガニスタン,イラン,イラク
形態 頭胴長250-370mm,尾長192-290mm,体重:オス600-1000g,メス400-600g.オスの方が大きい.腹部を除いて黒~褐色と黄白色の毛に覆われる.細長い体型で前後肢は短い.頭部は細長く,鼻先はとがる.尾は根元で太く,先端に行くほど細くなる.耳は短く丸い.前後肢とも指は5本.雌雄とも肛門近くに臭腺があり,悪臭を放つ.染色体数 2n=36(♀),35(♂)
生息環境 海岸から標高2000m程度までの森林,草原,農地など
繁殖生態 繁殖期:年1回,交尾期1-8月,出産期3-10月,妊娠期間6-7週間
産仔数:平均2.08
生態的特性 昼行性で群を作らず単独で地上の巣穴で生活する.アマミノクロウサギなどの巣穴に入り餌の探索をする.
食性:雑食性で昆虫,哺乳類,鳥類,爬虫類,果実等
侵入情報
国内移入分布 沖縄島,奄美大島,鹿児島県本土(鹿児島市喜入瀬々串町).
2012年,鹿児島県薩摩川内市でも確認されたが定着の有無は不明.戦後に沖縄島から他の島(伊江島,石垣島,渡嘉敷島)にも導入されたが,定着しなかった.
国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
移入元 沖縄にはガンジス川河口付近から導入.奄美大島には沖縄島から導入.鹿児島県本土個体群については不明.
侵入経路 沖縄島では,ネズミやハブの駆除を目的として島の南部に放獣.奄美大島でも,おそらくハブ駆除のために奄美市赤崎に放獣.鹿児島市については不明.
侵入年代 沖縄島 1910年,奄美大島 1979年,鹿児島市 1980年以前
影響 様々な小型の陸上動物を捕食.鶏・農作物の被害.人獣共通感染症の媒介.沖縄でレプトスピラの保菌が知られ,西インド諸島では狂犬病ウイルスも検出されている.
影響を受ける在来生物:小型哺乳類,鳥類,爬虫両生類,昆虫類.多数の希少種・固有種の捕食が確認されている(アマミノクロウサギ,ケナガネズミ,オキナワトゲネズミ,アマミトゲネズミ,ワタセジネズミ,ヤンバルクイナ,ルリカケス,アカヒゲ,ヘリグロヒメトカゲ,ハナサキガエル類,イシカワガエル類,ホルストガエル,オットンガエル,ナミエガエルなど).これらのうちのいくつかは,駆除事業によるマングースの減少後に回復傾向がみられている.一方,ハブ退治としての効果はほとんど無かったと考えられている.
農業では,養鶏への被害,バナナ・マンゴー・柑橘類などへの食害も知られる.
法的扱い 外来生物法で特定外来生物に指定された.
防除方法 ワナによる捕獲など.捕獲ワナ・捕殺ワナが使用されている.新たな防除技術開発も進められており,毒餌・誘引源などの検討,探索犬・ヘアトラップ・足跡トラップなど低密度化したマングースに対するモニタリング手段も研究されている.
問題点等
海外移入分布 ボスニア・ヘルツェゴビナ,クロアチア,キューバ,ドミニカ共和国,ジャマイカ,プエルトリコ,スリナム,フィジー,ハワイ,その他各地の熱帯地域
備考
世界の侵略的外来種ワースト100,日本の侵略的外来種ワースト100

近年,分子系統解析に基づいて,本種を二種に分割する見解,およびHerpestes属を3属に分割する見解が提出された.これらの分類を採用し,従来ジャワマングースHerpestes javanicusとシノニムないし亜種とされていたフイリマングースH. auropunctatusが別種とされ,日本に定着しているものはフイリマングースであることが明らかになった.西インド諸島,ハワイ,フィジーなどに定着しているのも同様にフイリマングースである.これを受け,環境省は2013年9月よりジャワマングースに加え,フイリマングースを新たに特定外来生物に指定した.
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