基本・侵入情報 | 参考資料リスト |
基本情報 | ||
和名 | チョウセンイタチ, シベリアイタチ, タイリクイタチ, コウライイタチ | (写真なし) |
分類群 | 哺乳綱 食肉目(ネコ目) イタチ科 (Mustelidae, Carnivora, Mammalia) | |
学名 | Mustela sibirica | |
英名等 | Siberian weasel | |
自然分布 | ウラル山脈西側~シベリア,モンゴル,大陸中国,パキスタン,タイ,ベトナム,朝鮮半島,台湾,対馬.ゴビ砂漠・タクラマカン砂漠には分布しない. | |
形態 | 中程度のサイズのイタチ.全身の毛色は,冬はやや黄色がかった明るい褐色で,夏には綿毛が抜けてやや暗い色になる.目~鼻周辺に濃褐色の斑紋があり,鼻周辺~口~喉は白.目の周辺は胴体と同じ色.体サイズに著しい性的二型があり,雄は頭胴長28~39cm,尾長16~21cm,体重650~820g,雌は頭胴長25~31cm,尾長13~16cm,体重60~430g程度.成体の尾率(尾長/頭胴長)は50%以上.外見の似るニホンイタチでは,目の周辺の毛は灰色で,尾率は40%程度. | |
生息環境 | 山地~低地の農村周辺など.特に低地が生息適地と考えられている. | |
繁殖生態 | 繁殖期:4~5月に交尾,6~8月に育児. 雌は年に1回,雄は多回交尾で一夫多妻と考えられている.雌のみで育児する.産仔数:5~6 | |
生態的特性 | 雌は一定の行動圏を持ち土穴等を巣とする.雄は何頭かの雌の行動圏に重なるような行動圏を持つ.春期に産まれた仔は秋には分散する. 食性:ネズミ類,鳥類,カエル,昆虫類,魚類,甲殻類,果実類.イタチに比べ植物質の採食量が多い. |
侵入情報 | ||
国内移入分布 | 福井県・岐阜県・愛知県以西の沖縄を除く西日本.離島では,福岡県青島・宮崎県延岡市サギ島に導入.静岡県西部でも過去の分布記録がある. |
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません |
移入元 | 朝鮮半島 | |
侵入経路 | 毛皮獣として導入されたものが放逐.また,宮崎県延岡市サギ島と長崎県松浦市青島では,ドブネズミ駆除のため放逐. | |
侵入年代 | 1930年頃に兵庫県尼崎市・明石市で,昭和初期に福岡県で,放獣された.戦後の混乱期に,船荷などに紛れて北九州に持ち込まれたという説もある.九州での分布拡大は戦後に起きている.宮崎県サギ島には1958年,福岡県青島には1966年に放獣された. | |
影響 | ニホンイタチとの競合(競合ではなく,都市化の結果としてニホンイタチの減少と本種の分布拡大が生じたという説もある).地域の貴重種・希少種への捕食圧.農業被害.家屋への侵入.寄生虫(日本顎口虫,太平肺吸虫,宮崎肺吸虫など)の媒介. 影響を受ける在来生物:ニホンイタチ(競合),小型哺乳類・鳥類・爬虫両生類(捕食) | |
法的扱い | 雄は狩猟獣(鳥獣保護法) | |
防除方法 | 捕獲 | |
問題点等 | 在来種ニホンイタチと似ているうえにすでに広域に分布しているため,外来種としての認識は低い. | |
海外移入分布 | 特になし |
備考 |
日本の侵略的外来種ワースト100
かつてニホンイタチは本種の亜種とされていたため,過去の文献の中には両種を同種として区別していないものもある. |
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