2. 近年のサンゴ群集の動態
この地点では、1980年以前は高密度なサンゴ群集が存在し
ましたが、1981年前後にオニヒトデの食害に遭ってサンゴ群
集は全て消失しました。1990年頃よりサンゴの定着が目立つ
ようになり、1993年には被度20%、1996年には50%、この画
像記録が始まる直前の1998年春期には、被度90%のミドリイ
シ類主体のサンゴ群集が回復していました。
1998年初夏に水深3m以深に生息するコリンボース状ミドリ
イシ類に大量弊死現象が起こりました。原因としては、サン
ゴ食コペポーダが大量に増殖した可能性が考えられます。こ
のため、被度は65%に低下し、さらに、その年の夏季に生じ
た異常高水温により被度はさらに50%まで減少しました(白
化現象)。
1999年夏季には被度は60%に回復しましたが、その年暮れ
の異常寒波により被度は30%にまで低下しました。この時に
は、潮間帯付近のサンゴ群集が凍死しました。その後、サン
ゴ類の成長は順調に進み、2000年秋期には被度40%に、2001
年初夏には70%にまで回復しました。
ところが、その夏にふたたび起こった白化によりサンゴが
大量に斃死し、被度は30%にまで低下しました。なお、本地
点においては、1998年よりも2001年の白化現象の方が、度合
いが大きかったようです。また、2003年には大型台風の波浪
により、枝上ミドリイシ類に被害が生じ、被度はさらに25%
にまで低下しています。
このように、本調査地は黒島港前(K1地点)と比較すると
サンゴ群集変動は大きく、特に近年は異常高・低水温により
頻繁に大きな攪乱を受けています。
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